TOPIC / 税金
財産分与の不動産に、税金はかかるのか
「離婚での財産分けに税金はかからない」と思われがちですが、不動産を渡す側には譲渡所得税がかかる可能性があります。そしてその計算の基準は、分与した時点の時価です。

このページの結論
- 不動産を渡す側:分与時の時価で譲渡したものとみなされ、購入時からの値上がり益に譲渡所得税が課され得ます。
- 受け取る側:原則として贈与税はかかりませんが、不動産取得税・登録免許税・その後の固定資産税がかかります。
- いずれの税額計算でも「分与時の時価」が登場します。時価の資料が曖昧だと、税務の前提も曖昧になります。
- 具体的な税額の計算・申告は税理士の職務範囲です。当事務所は前提となる時価の評価を担当します。
渡す側にかかる税金──譲渡所得税
財産分与として不動産の所有権を移した場合、税務上は「分与した時点の時価でその不動産を譲渡した」ものとして扱われます。購入時より値上がりしていれば、その差益(譲渡所得)に所得税・住民税が課され得ます。
現金で分与すれば生じない課税が、不動産の現物で渡すことで生じ得る──この非対称は、分与の設計段階で見落とされやすいポイントです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 収入金額 | 分与時の時価 |
| 取得費 | 購入代金・購入時諸費用(建物は減価償却後) |
| 譲渡費用 | 分与に伴う登記費用など |
| 譲渡所得 | 収入金額 −(取得費+譲渡費用) |
※ 税率・特例の適用は条件により異なります。必ず税理士にご確認ください。
収入金額の欄に入るのが「分与時の時価」です。ここに根拠のある数字を置けるかどうかが、税務の入り口になります。
収入金額
分与時の時価
鑑定評価の対象
取得費+譲渡費用
購入代金等
契約書等で確認
譲渡所得
課税対象
ここに税率を適用
※ 税率・特例の適用は税理士にご確認ください。当事務所は「分与時の時価」の評価を担当します。
受け取る側にかかる税金
受け取る側には、財産分与として相当な範囲であれば贈与税は原則としてかからないとされています。ただし、次の税金は発生します。
- 不動産取得税:不動産の取得に対して都道府県が課す税金です。財産分与の性質(清算的か慰謝料的かなど)によって課税の扱いが変わり得るとされています。
- 登録免許税:所有権移転登記の際にかかります。税率は固定資産税評価額に対して計算されます。
- 固定資産税・都市計画税:取得後、毎年の保有コストとしてかかります。
家を受け取って住み続ける選択をする場合、これらの税金と維持費を払い続けられるかも含めて判断することになります。受け取る資産の時価を正しく把握することは、その判断の前提です。

譲渡所得計算の前提となる分与時の時価評価が必要な場合、税理士の先生と連携しながら、税務の場面で使える形の評価書をご提案します。
税務の前提となる評価を相談する初回相談無料/ご相談内容を相手方に伝えることはありません
分与の設計に時価が効いてくる
同じ財産を分けるにも、「家を渡して現金を受け取る」のか「家を売却して代金を分ける」のかで、課税の生じ方が変わります。どちらが有利かは物件の値上がり幅、特例の適用可否、双方の事情によって異なり、税理士・弁護士を交えた設計が必要です。
その設計のどのパターンを検討するにも、必要になる数字は共通しています。いまこの家がいくらなのか。時価の評価は、税務・法務の検討を始めるための共通の土台です。
よくあるご質問
財産分与でもらう側に贈与税はかかりますか。
財産分与として相当な範囲であれば、贈与ではないため原則として贈与税は課されないとされています。ただし分与額が過大な場合や、税負担を免れる目的の離婚と認められる場合は課税され得るとされています。個別の判断は税理士にご確認ください。
渡す側に税金がかかるというのは本当ですか。
不動産で財産分与をした場合、渡す側は分与時の時価でその不動産を譲渡したものとして、値上がり益に譲渡所得税が課され得ます。金銭で分与すれば生じない課税が、不動産で渡すと生じる可能性がある、という点は見落とされがちです。具体的な税額は税理士にご確認ください。
マイホームの3,000万円控除は使えますか。
居住用財産の譲渡所得の特別控除は、配偶者への譲渡には適用されませんが、離婚後の元配偶者への分与であれば適用され得るとされています。適用要件の判断は税理士にご確認ください。分与のタイミングが税額に影響し得る論点です。
税金の計算のために、なぜ鑑定評価が必要なのですか。
譲渡所得の計算は分与時の時価が基準となるためです。時価の裏付けが乏しいと、税務上の計算の前提が揺らぎます。鑑定評価書は分与時の時価を示す資料として、税理士の先生が申告実務を行う際の基礎資料になります。

鑑定が必要かどうかの確認だけでも構いません
物件の内容と手続の状況をうかがい、どの資料が必要か、費用はいくらかをお伝えします。必要がなければその旨をお伝えします。初回のご相談は無料です。